あのクソッタレ共が20年ぶりのカムバック!T2 トレインスポッティングを彩る音楽 #T2trainspotting #トレインスポッティング

こんにちは。デザイナーのpecoです。
今回の記事は、どうしても!どうしても書きたくて。公開から少し経ってしまいましたがどうしても書きたくて!(2回言う)

20年の時を経てカムバック!

90年代ポップカルチャーの代名詞であり、社会現象をも引き起こした映画、「トレインスポッティング」。その続編が20年の時を経てカムバックしました!ありがとう!ありがとうーーー!!!
前作のファンも思わずぐっときてしまう、予告編がこちら。

早速先日観てきました。そして、映画のエンディング曲が流れる頃、あまりの興奮で拍手をしたくてたまらない気分に。本当に素晴らしい、最高の続編だった。
20年前のキャストをそのままに、彼らの選んだ20年後を描いた今作。まさに彼らはあの物語の続きをそれぞれ歩んでいました。どうしても憎めないバカなクソッタレたちがそこにいたのです。それぞれが年をとり、見た目もあの頃からずいぶん変わったはずなのに、なんの違和感もなく、こうなるのは当たり前だろうと言わんばかりの風貌で。こんなに違和感がないものだろうか。


聞き覚えのある、懐かしいメロディーと共に全力疾走するレントン。前作の有名なあのシーンです。この坊主頭と短くてタイトな黄色のTシャツ、スキニーパンツにハイカットスニーカーというレントンの出で立ちは、当時の若者たちに大きな影響を与えたルックスの一つです。


そして、1996年から、

2017年…


このシーンも大変懐かしいものです。場所は”ハイランドのコナー駅”。あの頃はこの三人に加え、トミーがいましたね。


前作”トレインスポッティング”のキャッチコピーは“Choose Life.(未来を選べ)”でしたが、今作のトレーラーでは“彼らが選んだ 20年後の未来”というコピー。

カメラワーク、BGMも「さすが!」と手を叩きたくなるような、相変わらずぶっとんだダニー・ボイル監督のセンスに脱帽です。ちなみに、セルフオマージュなど前作と重なるシーンがたっぷりあるので、まだトレインスポッティングを知らない方やあまり覚えてない〜という方は前作を一度復習してからがおすすめです。なんせ前作ファンを喜ばせる仕掛けがいっぱいだから。観終わった後、こっちが薬をキメてるんじゃないかってくらいの高揚感を味わったのでした。

音楽がかっこよすぎる!

トレインスポッティングは公開当時ファッションなどのカルチャーにも大きな影響を与えました。その中のひとつが音楽です。
UKロック、USロックの名曲たちが映画を彩った前作のサントラは今聴いてみても本当にかっこいい。そして、今作でもまるでミュージックビデオを観ている感覚に陥る映像と音楽のコラボレーションには痺れます。もちろん”あの”テーマソングは今回も健在!帰りの電車で迷わずサントラをダウンロードしたのは言うまでもありません。

近年の名曲やヤング・ファーザーズの新曲、前作に引き続きトラックリスト入りしたイギー・ポップやアンダーワールドの名曲たちも現代風にアレンジされるなど、ダイアンがレントンに対して“老けちゃうわよ。世の中も音楽もドラッグも変化しているのに シギー・ポップ(イギー・ポップ)に憧れて家にこもるなんて”と言っていたように、まさに20年後の現代、世の中音楽も変化したことを実感するラインナップです。

というわけで、今回はT2を彩るかっこよすぎる音楽をシェアしたいと思います。

Lust For Life – Prodigy Remix


個人的に、夜中に会いたくない人ナンバーワンのイギー・ポップ。(どうでもいい)そんな彼のトレインスポッティングのメインテーマ曲としてあまりにも有名なこの曲が、なんとエレクトロニックミュージックの先駆者”ザ・プロディジー”の手によってリミックスされました。20年後の彼らにふさわしい、尖ったアッパーなサウンドは一度聴くと頭から離れません。

High Contrast – Shotgun Mouthwash


イギリス・ウェールズ出身のドラムンベースDJ、音楽プロデューサー”ハイ・コントラスト”のハードコアな楽曲は映画のオープニングを盛り上げ、観客を一気にトレインスポッティングの世界へ引き込みます。

Silk – Wolf Alice


T2のトレイラーに使用されたことで話題になったウルフ・アリスの”Silk”。2015年にはサマーソニックで来日し、世界的にブレイクしているUKロックバンドです。90年代オル タナティブ・ロックやグランジの影響を受けた彼らのサウンドはトレイラーからもわかるように劇中では大変印象的でした。
トレイラー公開後に楽曲が使用されたことについて、ベーシストのエリスはツイッターで”トレインスポッティングのトレイラーの一部になるのはとても重要なことだ。母親のリビングで「この瞬間」を感じているよ” ”なんてこった。トレインスポッティング。1992年以来の文法が乱れるくらい感動的な出来事だよ”と語り、ウルフ・アリスは監督のダニー・ボイルに対して”『トレインスポッティング2』のトレイラーに”Silk”が!!ダニー最高!!!”喜びを爆発させていました。

Get Up – Young Fathers


今回T2の中でサントラでは3曲、劇中では6曲も使用されているヤング・ファーザーズ。レントンらトレスポキャラクター達と同じくエディンバラ出身の3人組です。オルタナティブを感じさせますが、グライムにファンク、エレクトロニカやロック、ヒップホップなど、多数のジャンルを取り入れた多彩な楽曲を発表し、UK最大の音楽賞マーキュリー・プライズを受賞するなど各方面から絶賛さるまさに現在のイギリスを象徴する存在です。

Relax – Frankie Goes To Hollywood


日本でも広く知られているこちらの楽曲。1980年代半ばに大ヒットを記録したイギリスのバンド、”フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド”の言わずと知れた名曲です。楽曲は知られていますが実はこの曲、歌詞の中でSM行為などを描写したことが問題となりBBCなど多くの国の放送局で放送禁止となったことでも有名です。日本ではCMなどでも使われるなどしていますが、英国では放送禁止となっていたため、サビの部分のみ使われていたんだとか。そのほかにも”ボディ・ダブル”や”ズーランダー”など多数の作品で使用されています。こんな雑学を知った上でT2のどのシーンで使用されているのか意識して観るのもおもしろいかも。

Eventually But (Spud’s letter to Gail) – Underworld, Ewen Bremner


今作の劇中で大きなキーとなるスパッド(ユエン・ブレムナー)の語りからはじまる大変印象的で胸を揺さぶられる美しい一曲です。曲を提供したのは前作のエンディング曲に使われたことで一躍世界的アーティストへと飛躍した”アンダー・ワールド”。ネタバレになってしまうのでここでは詳しく紹介しませんが、スパッドがどのような想いを語っているのか、ぜひ劇場で聴いてみてください。

Only God Knows – Young Fathers

https://open.spotify.com/embed/track/5iLRzSviAdN4IjOjiD0vtQ
“Get Up”に続きヤング・ファーザーズの楽曲です。spotifyで音源が公開されています。(上記リンクより)
監督のダニー・ボイルは『T2 トレインスポッティング』におけるヤング・ファーザーズの楽曲について「映画の鼓動」であり「『トレインスポッティング』におけるアンダーワールドの“Born Slippy”のような意味を持つものなんだ」とコメントしています。(ー出典:RO69)

Dad’s Best Friend – The Rubberbandits


アイルランド出身のコメディ・ヒップホップ・デュオ、”ザ・ラバーバンディッツ”。検索してみたところ日本ではほとんど知られていないようです。どういうわけか彼らはコンビニやスーパーのビニール袋に目、口用の穴をあけ、マスクとして着用した出で立ちで活動しているようです。一見ふざけた二人組ですが、代表作”Horse Outside“はIFTA賞を受賞するなど活動の場を広げており、T2での起用は大抜擢といえるかもしれません。

Dreaming – Blondie


こちらの曲は日本人でも聞き覚えのある方は多いかもしれません。1978年、UKで人気を博したアメリカのニュー・ウェーヴバンドですが、UKで大活躍を果たしたのちにアメリカでも大ヒットを記録し、全米チャートでは27位、全英チャートでは最高第2位を記録しました。このチャーミングな一曲が今作では主にスパッドにスポットを当てたシーンで使われています。前作ではあんなだったスパッドが、この曲をBGMにどんな変化を見せるのか必見です。

Radio Ga Ga – Queen


こちらも往年の名曲。言わずと知れた”クイーン”です。ドラムのロジャー・テイラーの息子がラジオを聴くたびに「ラジオ カカ カカ」と声を発することが曲作りのきっかけとなったんだとか。ハードロックからポップ路線にアプローチをかけ大ヒットとなった一曲で、MVにみられる拳を振り上げ手を叩く動作はのちに彼らのコンサートにおけるハイライトとなりました。劇中ではクラブでのシーンで使用され、現代でも広く愛されている一曲だということがわかります。

It’s Like That – RUN-DMC, Jason Nevins


アメリカニューヨーク出身のヒップホップグループ”ラン・ディーエムシー”のデビュー曲にしてヒット曲となった一曲です。T2ではクイーンの”レディオ ガガ”に続きクラブサウンドとして使用されており、トレントやベグビー達と同世代には懐かしさを感じるシーンになっているのではないでしょうか。そして、この曲をBGMに交わされる彼らのドタバタは劇場でも大きな笑いを誘いました。必見です。

(White Man) In Hammersmith Palais – The Clash


さらに続けて往年の名曲です。”ザ・クラッシュ”は1976年〜1986年に活躍したイングランド出身のロックバンドで、デビュー当時はパンクだったのですが、レゲエやゴスペル、R&B、ジャズ、スカなど様々なジャンルの要素をとりいれ、大きく変化し、音楽シーンに大きな影響を与えました。”ローリングストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティスト”にも選出されています。

Rain Or Shine – Young Fathers


トラックリスト内では堂々の3曲目、こちらも”ヤング・ファーザーズ”の楽曲です。
監督のダニー・ボイルは「何よりエディンバラのミュージシャン、ヤング・ファーザーズを発見することが出来たのは大きかった。彼らの音こそが、この映画を支える現代の鼓動で、私たちはそれによってノスタルジーに浸らずにすんだ。ウルフ・アリスは私の娘たちの趣味で選んだんだ」と劇中音楽の選曲秘話を語っています。(出典:BARKS)

Whitest Boy On The Beach – Fat White Family


2011年にサウスロンドンで結成された”ファット・ホワイト・ファミリー”。UKメディアは彼らを”最も危険で厄介、そして最も不可欠なバンド”または”イギリス最後のロックンロールバンド”と評価しており、 音楽のみならず過激な発言やパフォーマンスで話題となりました。元英国首相マーガレット・サッチャーが逝去した際には自宅から”魔女は死んだ!”と書かれた垂れ幕を掲げたり、カナダのシンガーソングライターであるマック・デマルコに対し、「彼が音楽を作り続けるなら俺たちはISISに入るよ(殺害しにいくよ)」と全く笑えない発言をしたりとにかく話題に事欠かない過激派。いろんな意味で、間違いなく近年を代表するUKロックバンドです。

Slow Slippy – Underworld


最後はやっぱりこの曲。トレインスポッティングは”イギー・ポップ”と、”アンダーワールド”は外せないのです。ファンの期待を裏切りませんね。
アンダーワールドのメンバー、リック・スミスは今作全体の音楽を担当しており、”以前から話してる通り、ダニー・ボイルに誘われたらノーなんて言えないよ。選択肢はイエスだけさ。20年経って、また同じ列車に家族全員が乗ることになった。なんて素晴らしい旅なんだろう。”と語っています。
前作のラストシーンで使われた”Born Slippy Nuxx”がアンダーワールド自身の手によってリメイクされており、リメイク前とは全く違った毛色の曲となっています。果たしてこの曲が彼らの選んだ20年後をどのように飾るのか、ぜひ劇場でご覧ください。映画を観る前と観た後では、この曲の印象が違って聴こえるはずです。

20年後の、”Choose life.”


音楽と同様に前作から引き継がれた要素が今作には数多く登場します。そのひとつが前作のコピーとなった”Choose life.”です。前作でレントンは以下のように語っています。

「人生を選べ。キャリアを選べ。家族を選べ。大型テレビに洗濯機、車、CDプレーヤー、電動缶切り、健康、低コレステロール、生命保険、マイホーム、友達、バカンス用の服とそれにマッチングしたトランク、バカ高い生地で仕立て上げたスーツとベストを選んで、単なる暇潰しの日曜大工に明け暮れ、ソファに座って思考が麻痺して精神が粉砕されそうなほどくだらないゲーム番組を観る。ジャンクフードを頬張りながら、老いて腐り果て、みじめな家で自分の人生の最後をせせら笑い、出来そこないのガキにも疎まれる。未来を選べ。人生を選べ。」

そして、今作でもユアン・マクレガー扮するレントンが畳み掛けるように語る”Choose life”のシーンは大きなハイライトとなっています。本編では予告編よりもさらに長い”Choose”を連発。思わずハッとする人も多いはずです。
考えること、疑問を持つことを忘れ、”選択”することから逃れ、流されがちな私たちは、この映画を観てどんな未来を選ぶのでしょうか。

Choose life Choose Facebook, Twitter, Instagram and hope that someone, somewhere cares Choose looking up old flames, wishing you’d done it all differently And choose watching history repeat itself Choose your future Choose reality TV, slut shaming, revenge porn Choose a zero hour contract, a two hour journey to work And choose the same for your kids, only worse, and smother the pain with an unknown dose of an unknown drug made in somebody’s kitchen And then… take a deep breath You’re an addict, so be addicted Just be addicted to something else Choose the ones you love Choose your future Choose life
出典:NME

人生を選べ。Facebook、Twitter、Instagramを選べ。誰かがどこかで自分の投稿をに気をかけることに期待しろ。 昔の恋人を見つけ、あの時こうすればよかったと願い、そして歴史が繰り返すのを見ることを選べ。 未来を選べ。リアリティーショー、売女をあげつらうこと、リベンジポルノを選べ。 非正規雇用、片道2時間の通勤を選べ。そして恐ろしいことに子供にも同じことを選び、その苦痛を誰かのキッチンで作られた未知の薬を未知の分量飲んで抑えろ。 それから……深呼吸をしろ。お前は中毒だから、溺れろ。ただ何か他のものに溺れろ。愛する人を選べ。未来を選べ。人生を選べ。
出典:ゲインオーバー

おまけ:20年後の彼ら


最後に、こちらの動画を紹介。イギリスで大人気のトーク番組、”The Graham Norton Show (グレアム・ノートン・ショー)”で、トレインスポッティングの主要キャスト4人をゲストに前作のポスターの再現をしようという企画。
ダイアンがいなかったので、コメディアンで番組の司会者を務めるグレアム・ノートンがなかなか無茶のあるダイアンのカツラを被りいざ再現。ユアン・マクレガーをはじめ、20年経った俳優陣のおちゃめな姿にクスリとしてしまう可愛い動画です。

いかがでしたか?映画を観る前、観た後で音楽の印象がガラリと変わるのもサウンドトラックを楽しむ方法のひとつとしておすすめです。特にトレインスポッティングのサウンドトラックは、ただの寄せ集めではなくCDディスク一枚を通してきちんとした作品になっているのでぜひ一度聞いてみてはいかがでしょうか?

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