こんにちは!デザイナーのpecoです。
東京はすっかり冷え込んで年を重ねるごとに寒さに弱くなっていることを実感しております。(つらい)
さて、今回はやっとみつけたペンタブの軌跡を安定させる“Hej Stylus”をご紹介したいと思います。
私は日々ペンタブでイラストを描いているのですが、愛用アプリケーションはもっぱらphotoshopで、絵を描くときにどうしても立ちはだかる壁といえば…そう、手ぶれ補正機能がないこと。
CLIPSTUDIOやwindowsユーザーしか使えないSAIなど、“おえかき”アプリとして独立しているアプリケーションはどれも手ぶれ補正機能が備わっている為、photoshopに比べてかなりなめらなで綺麗な線を引くことができます。
そもそもphotoshop自体絵を描く為のツールではなく、加工を施す為のものというのが大前提なのでワガママを言うのもどうなんだ?という話なのですが、この手ぶれ補正機能を待ち望んでいる声も未だ多く、Adobeさんなんとかしてよォ…とアップデートの度に嘆いているのです。
LazyNezumiProとHej Stylus
しびれを切らし、何かプラグインなどないものかと探し回ってみると、“LazyNezumiPro”を利用すると、photoshop上で線の手ブレ補正やパース定規の利用が可能になるというではありませんか。しかもディズニーやブリザードエンターテインメント、クライテックなどグラフィックでは一流の有名企業でも利用されており、信頼も厚い!……のですが残念ながら、まだWindowsユーザーしか使えないのだそう…(本当にかなしい)
結果、photoshopの手ぶれ補正機能が先かLazyNezumiProのmac対応が先かという状況に。
しかし今年、ついに発見しました!それが“Hej Stylus”です。
Hej Stylus
http://hejstylus.com
描画の仕組みはLazyNezumiProとよく似ており、以下のアニメーションからわかる通り、
直に引いた線の軌道がキャンパスに伝わるのではなく、その軌道をカーソルが追いかけてきてくれる、というかスムーシングするカーソルを引っ張っていくような感覚。


早速使ってみる
慣れるまで少しかかりそうかな?と思ったので、早速実際にライセンスを購入し、少し遊んでみました。まずはHej Stylusを使用していない場合と使用している場合の比較してみます。
ト音記号などカーブの多いものは特に違いがわかりやすいのではないでしょうか。
筆圧もきちんと感知したまま、なめらかなストロークを実現しています。
デメリットはショートカットで解決
逆に、ストロークの短いもの(小さい点を打つ、小さな範囲を塗りつぶすなどの動作)は、始点から終点までのストロークが足りず思うように描画できませんでした。
また、Hej Stylusはphotoshop専用のプラグインというわけではない為、ON状態にするとどのアプリケーション上でも関係なく動作が適応されます。さらにマウスでもペンタブでも関係ないのでONにしたままファイルのドラッグ&ドロップ、テキストの範囲選択などの動作を行うとうまく動作しない場合があります。
以上の理由からか直感的にON / OFFを切り替えられる必要がある為、ショートカットの設定がデフォルトメニューに含まれています。
ディスプレイ右上のメニューバーに表示されているHej Stylusアイコンを左クリックすることでON / OFFの切り替えも可能ですが、このメニューバーアイコンを右クリックしてみるとメニュー設定メニューが開きます。
この中から“Shortcuts”を選択し、自分のすきなショートカットを割り当てることができます。(photoshopなど普段使っているアプリのショートカットとかぶらないよに注意が必要です)
お好みのショートカットを設定し直感的な操作ができるようにしましょう。
他にも“Maximum Radius”からオフセット半径の設定、スライダーを動かすとストロークの長さを調整することができます。ストロークが長すぎると直感的に描きにくいなという印象があったので、デフォルトはマックスまでスライダーが右に行っていますが1/3くらいまでで良いのでは、と感じました。
ペン入れしてみる
少し動作にも慣れてきたところで(割とすぐ慣れた!)、実際にペン入れの作業をしてみたいと思います。今回はもう一人のデザイナー、スタミさんの似顔絵を描いてペン入れしてみました。
(※拡縮の問題でちょっと線が汚く見えてしまっているのですが実際はなめらかできれいな線になってます。)
仕上がりはこちら。
髪の毛などのストロークが長い部分でスムージング機能が発揮されているのがわかります。LazyNezumiProのようなスムージングの切り替えや圧力設定、パースの描画などは備わっていませんが、線がここまで美しくかけるだけでぐっと楽しくなりますね!
Hej Stylus入手方法
いかがだったでしょうか?Hej Stylusは1時間のトライアル版もあるので、Macユーザーの方は是非一度体感してみては?
Hej StylusはGumroadの決済システムを利用しており、フルバージョンは12ユーロ、日本円で約1,379円(2016年11月10日現在)です。トライアル版も同じくGumroadから入手できるので、以下のリンクからGumroadへアクセスして入手しましょう。
Hej Stylus – Get Hej Stylus! — Hej Stylus!
http://hejstylus.com/hejstylus
Gumroadの導線に従ってメールアドレスの入力から進んでいくと、トライアル用のライセンスキー、またはフルバージョン用のライセンスキーが発行されるので、インストール後、アプリを起動させるとライセンスキー入力ウィンドウが立ち上ります。先ほどのキーを打ち込み完了です。
駆け足で紹介しましたが、今後も少しずつアップデートされていくようなので円高のこの機会に是非お試しください。